帰国子女枠合格体験記②年中から小2アメリカで楽しくバイリンガル教育
2020年1月に次男が渋谷教育学園幕張中学校高等学校の帰国枠入学に合格しました。
これは、嬉しすぎるので、どうでもいいかもしれない0歳から合格までに至る、血と汗と涙のウィニングロードを綴った狂喜乱舞の記事です。
※注意!!!!:マジメに帰国枠受験・英語教育に興味のある方のお役に立てるよう、内緒にしておきたい恥ずかしい話も全て暴露致しております。恥ずかしいので、くれぐれも、身元を探らないでください(笑)!
この記事は、シリーズの第2回目です。
前回および他の記事は下記リンクよりご覧ください。
帰国子女枠合格体験記① 0歳から年中〜日本でも英語に触れられる環境を
帰国子女枠合格体験記② 年中から小2〜アメリカで楽しくバイリンガル教育(この記事)
帰国子女枠合格体験記③ 小3から小5〜日本語キャッチアップと英語力保持
帰国子女枠合格体験記④ 小6から合格まで〜中学受験に挑戦した本当の理由<
直前にどのような対策をとって受験に臨んだかを知りたい方は帰国子女枠合格体験記④ 小6から現在〜中学受験に挑戦した本当の理由をご覧ください。
帰国子女枠合格体験記②
年中から小2〜アメリカで楽しくバイリンガル教育
二度目の駐在が決まり年中の夏から小学2年の終わりまで、アメリカ合衆国はテネシー州にて過ごしました。
日本語も英語も基礎語学力を身に着けるこの時期、次男の過ごした環境・家庭での取り組みをご紹介します。
- 目次
1. 最短で英語力を身に付ける環境を 〜年中からプリ・キンダー(5歳)まで
・フルタイムの幼稚園で毎日英語のシャワー
・家の中までもアメリカにして、料理以外の日本は忘れる
2. 日英の語学力の逆転 〜現地公立小学校・日本語補習校通学時代
・英語シャワー開始一年後 〜ネイティブレベルの英語力に
・日本語は土曜日だけ日本語補習校へ 〜日本語と日本文化に触れる
・日本語補習校の悲劇 〜宿題地獄に喘ぐは必死。粛々とこなすべし
・日本語を嫌がるようになってきたら 〜「日本語キャッチのチャンネル」を増やす
・子供のツボにハマるコンテンツを漁りまくろう 〜マルチ媒体のコンテンツがおすすめ
3. まとめ
1. 最短で英語力を身に付ける環境を
〜年中からプリ・キンダー(5歳)まで
フルタイムの幼稚園で毎日英語のシャワー
1日でも早く英語力を身につけさせることに重点をおき、プリスクール(幼稚園)はフルタイムの場所を探しました。
3校見学に連れていき、「遠いけど興味があったので一応見に行ってみた」だけの、モンテッソーリのプリスクール(2校目)を息子はすっかり気に入ってしまい、「ここに決めた」と鶴の一声(注:まだ4歳)。その後一応連れて行ったところ(家から歩いて3分 涙)ではもう、けんもほろろだわ、目は死んでるわで、モンテッソーリに決定。笑
しかし、心配事が一つありました。
それはモンテッソーリ独特の基本自由で放置な教育スタイル。自主的に興味のあるものを子供が手にとって、先生が補助して学びを深める教え方なのです。英語力のない息子がちゃんと会話力を身に付けるチャンスがあるのか?いじめられて教室の隅で一人で1日を過ごして終わってしまわないか?心配でした。ありがたいことにクラス担任のMiss Pattiは、親身に相談に乗ってくれてきちんと対応してくれる、と約束してくれました。お兄ちゃんの時、アリゾナのプリスクールがひどかったので、その件も相談。目を潤ませて「そんなことには絶対になりませんから安心してください。」と。
(写真:モンテッソーリのアルファベットのおもちゃ。スペル・・・間違ってるね 笑)
私は長男のプリスクール選びで失敗しています。
長男は、まだ初心者ママだった私が、プリスクールでひどい目にあっていることに気づけませんでした。今では克服したようですが、いまだにトラブルに巻き込まれないようにする、少し臆病なところが残っています。
次男は、素晴らしい体験をしたようで、エレメンタリーに上がった後も、今でも、あの学校はよかった。また行ってもいい、と言います。
まずは子供を信じること。学校の様子はママ友・先生など、チャンネルをたくさん張り巡らせて、情報を収拾すること。そして、学校には不満や疑問があれば掛け合うこと。当たり前のことですが、英語が母語でないと躊躇しがち。アメリカ生活で得た多くの教訓の中の一つです。
そして・・・このモンテッソーリスクールは本当に良い学校だったのです。
この学校は、モンテッソーリの正規プログラムを修了している先生方ばかり。息子はこの幼稚園で、人生の宝ともなる学びの姿勢を身につけました。
それは・・・
・自分で興味を持ったことを様々なソースをあたって深める
・自分で選んで没頭して学ぶ
一方、既存の教育システムにそぐわない、
・興味のないものを無理に学ばなくていい=宿題をやらない
という姿勢も身につけてしまいました。が・・・親としては将来的にはほとんど問題ないと思っています。
この学校で、母親の私もたくさんの素敵なママ友を作ることができました。
家の中までもアメリカにして、料理以外の日本は忘れる
この時期は英語を習得することに家族一丸となって取り組みました。習い事等は、慣れるまで始めず、日本語は親子での会話の半分と料理のみ。
テレビも絵本も何もかも、なるべく英語にして過ごしました。この時期にテレビ・ジャパンなどの日本語放送と契約してしまうと、子供はそちらに流れてしまいがち。オススメしません。
日本の英語クラス幼稚園で英語に親しんでいたおかげか、「トイレに行きたいなど」の基本的なことは言えていたようです。3ヶ月・6ヶ月と徐々に、英語で楽しく過ごせるようになっていきました。年齢が低く、難しい言葉もまだ話さなかったので、馴染むのは早かったようです。
ラッキーだったのはお隣に同い年の双子の男の子が住んでおり、たくさん遊んでもらっていたこと。おかげで、いわゆる家庭内での英語というのも、たくさん学んでいたようです。
2. 日英の語学力の逆転
〜現地公立小学校・日本語補習校通学時代
英語シャワー開始一年後 〜ネイティブレベルの英語力に
モンテッソーリスクールから、パブリックのエレメンタリー(公立小学校)のキンダーガーデンへ進学しました。
日本で公立小学校へ転入することも見据えて、「既存の教育システムにも馴染んでおいてほしい」との思いから兄も通う公立小学校へ。
アメリカで住居を決める際、あらかじめ「良い学区」を調べ、その学区内の家を探しました。良い学区に住めれば、公立の学校にも安心して通わせることができます。アメリカ人は、たとえ持ち家に住んでいたとしても、進学を機により良い学区へと気軽に引っ越していきます。中古と新築の価格の差が殆どないばかりか、学区が良い評価を受けると新築で買った時よりも高い値段で売れることも普通にあります。学区の良い地域は治安も良い場合が多く、それほど、学区の良い地域の物件は人気なのです。
入学前にESLの必要性の有無を判定する面接を受けました。結果、ネイティブの子供の中でも語学力は上の方なのでESLは全く必要ない、とのこと。1年間、アホなくらいに英語漬けにした甲斐があったようでした。
しこたま読み聞かせをしていたおかげか読書も積極的で、その後も英語力はどんどんと伸び、「将来は画家か小説家ね」などと先生に言ってもらえる程になっていきました。
日本語は土曜日だけ日本語補習校へ 〜日本語と日本文化に触れる
公立小学校入学と並行して日本語補習校へ入学しました。補習校は週一回土曜日のみ、大学内の建物を借りて開校しています。
補習校は日本語力保持と併せて、日本的文化を経験する場所を提供してくれました。入学式・運動会・学芸会・卒業式、などの大きなイベント、また、日本的お弁当を皆で広げながら食べるなど、日本語と日本文化への関心を維持することができる貴重な場所でした。
(写真:補習校の学芸会の様子)
日本からきたばかりの英語の話せない子供たちにとっては、週に一回の「心のオアシス」。次男は入学した時すでに英語がペラペラだったのですが、新しくきた子を励ますことができ、嬉しかったようです。
日本的な「教科書とドリルとノート」のセットでの学習も、ここで初めて経験しました。(アメリカでは、主にプリントによる学習で、プリントをどんどんバインダーに挟んでいくスタイルです。)
日本語補習校の悲劇 〜宿題地獄に喘ぐは必死。粛々とこなすべし
補習校の教科は3年生までは国語と算数だけ。しかし、通常5日かけて学ぶ内容を強引に1日でやるのは無理です。授業での不足分は大量の宿題として補うことになります。
この宿題が大変でした。アメリカにいると「日本語を学ぶ意味」を感じることができず、日本語学習の意欲は落ちています。そこへきて、ひらがなの書き取りや、音読・・・・ひらがなから漢字テスト・・・基本、宿題をやる気のない次男にやらせるのは至難の技。
幸い現地校(アメリカのパブリックスクール)の宿題がなかったので、放課後(午後4時ごろから)の時間は少しずつ補習校の宿題をやらせていました。
社交家な次男は友達も多く、遊びのお誘いの呼び鈴が鳴り止みません。結局夜になり・・・遊び疲れて寝てしまうこともしばしば。
虎視眈々と宿題をやらせるチャンスを狙う日々でした。音読の宿題は、まず読めるように、宿題の範囲を私の音読を録音し、車の中で聴かせていました。
努力なくしてバイリンガルは育たず。ゲーム感覚で粛々とミッションをこなしていました。合わせて下記で紹介する「日本語キャッチのチャンネル」を保持・増やす努力もしていました。
(写真:作文の宿題と格闘する次男)
日本語を嫌がるようになってきたら 〜「日本語キャッチのチャンネル」を保持・増やす
爆上げした英語力の裏で、日本語力は落ちていきました。が、4年間の駐在と決まっていたのである程度許容することに決めていました。
日本語は生活で使われていない言葉なので、補習校だけでのインプットでは足りず、「日本に住んでいたら、その年齢なら普通に知っている言葉や文化」を知らない、という状態になっていきます。
そして読み聞かせでも日本語の絵本を少しずつ選ばなくなってきます。
お兄ちゃんが4つ上なので、『くまのこウーフ』『マジック・ツリーハウス』などを読むのですが、図書館で借りてきた英語のオーディオブックの方が嬉しい。リック・ライオデンの『パーシージャクション』シリーズ(Rick Rioden”Percy Jackson” Series)や、モー・ウィレムスの『ぞうさんぶたさん』シリーズ(Mo Willems”Elephant and Piggy” Series)などのほうが聞きたい。
しかし強引に読んきかせても身につきません。
そこで、少しでも「日本語キャッチのチャンネルを保持・増やす」ことに注力しました。
例えば保持の例としては、苦手な日本語の本の中でも、なぜか何回も読んで欲しがる本が何冊かあるのですが、それを読みまくります。「え?またこれ〜〜?」と言いたくなると思いますが(私は言ってしまいました 笑)、その数冊が、子供の日本語力保持に大きく貢献しているはずと信じて、根気よく繰り返し読んで聞かせていました。
そして、ときどき新しい日本語の本を導入していき、あまり期待はせずに、「なぜか聞いてくれる本」を増やしていきます。
またチャンネルを増やす例としては、日本語の漫画やテレビ番組も導入していきました。当時深夜枠でしたがアニメで英語版「ドラえもん」の放送がちょうど始まったところで、日本から持ってきたDVDと現地で収録した英語版とで日本語と英語を交互に観るシマウマウォッチングをしたりもしました。
補習校から入手する日本の小学校で流行っているもの、日本の伝統行事なども目ざとく導入。流行モノは公序良俗に反しない限りは、「ラッスンゴリライ」とてありがたく、広く緩やかに取り入れていました。
子供のツボにハマるコンテンツを漁りまくろう 〜マルチ媒体のコンテンツがおすすめ
それでなくても二か国のダブル勉強で頑張っている子供達。なるべく楽しく学べるように、と、子供達の好きそうな本・映画・テレビ番組の下調べにかなりの時間を費やしていました。
日本語のソースは限られていましたが、英語のソースは山とありました。
目指すは学年より2〜3年先ゆく本を読める力を身につけること。
Amazon Primeの子供用番組のチェックをしたり、公立図書館には1週間に最低でも2〜3回は通って、読んだ本・借りたけどハズレだった本を返し、好きそうな本をまたごっそり(20〜30冊)借りて帰っていました。併せてオーディオブックのDVDも借りて、夜聴かせる・・・という日々でした。
本屋さんにも頻繁に連れ出し、人気で図書館ではなかなか借りられない本を購入していました。
このようにコンテンツを探す時、まずはマルチに媒体が発行されている作品を狙っていきます。つまり、書籍のヒットから、オーディオブック、そして、映画、となったような作品です。
なかでも我が家で大ヒットだったのは「ハリーポッター」シリーズでした。この作品については我が家で展開した一大プロジェクトがありました。(詳しくは後々、記事にアップする予定です。)プロジェクトのおかげでまんまと兄弟二人でハマり、今でもときどきブームが来て読んでいるようです。今後も英語力キープに、果てしなく役立ってくれることに違いありません。
まだ小2だった次男にとって2〜3学年上のレベルの本でしたが、マルチ媒体をフルで導入した結果、自分で全シリーズを読破することができました。
小さい子なら、漫画ですがスヌーピー。ゲーム好きなら、ポケモン、とか、いかがでしょう?ちなみにこの時映画がヒットしたかしないかはオタク的には関係なく楽しめるようです(長男談:例『名探偵ピカチュウ』←ゲーム・アニメから、『メイズ・ランナー』←書籍から)。
3. まとめ
アメリカ生活が始まったら、まずは全力で英語力習得です。英語と日本語が逆転し始めるか始めないあたりから、半分半分に。日本語は、会話で困らないように、また最低限の学力と日本文化の紹介・日本への良いイメージを保てるように努めます。英語力は2〜3学年先の本をスラスラ読めるくらいにしておくことが理想です。
小2の3月末に日本へ帰国します。
帰国子女枠合格体験記③ 小3から小5〜日本語キャッチアップと英語力保持に続きます。
<おまけ>
夫の趣味の延長で(笑)、日本語補助教材はドラゼミを取り寄せてもらっていました。
テキストはじめシールなど教材の作り込みが丁寧で、元印刷関係デザイナーの私のツボにもハマりました。
やはり声をかけないとやりませんでしたが、デザインを楽しみながら、落ち着いて取り組むことができる、なかなかセンスの良い教材でした。